← ブログ一覧へ
📚

自分の作品を電子書籍にする:PDF・EPUBエクスポートの使い方

書いた作品を「読み物」として手元に残す楽しみ

小説投稿サイトに掲載していると、原稿はブラウザの向こう側にあるものとして扱われがちですが、書き上げた作品を自分の端末に「読み物」として残しておくと、また違った達成感が得られます。スマートフォンの電子書籍リーダーで自分の作品を開き、他の市販の小説と同じように読み返してみると、投稿サイトの編集画面で読んでいたときとは違う、一つの作品としての手触りを感じられます。

完結後の記念としてだけでなく、コンテスト応募用の原稿として、あるいは家族や友人に読んでもらう用のファイルとして、読みやすい形式で書き出しておく需要は意外と多くあります。

TXT・Markdown・PDF・EPUB、4つの書き出し形式の違い

エクスポート形式にはそれぞれ向き不向きがあります。TXTは最もシンプルなプレーンテキストで、投稿サイトへのコピー&ペーストや、他のテキストエディタでの編集に向いています。Markdownは見出し記法(#や##)付きでテキスト化されるため、章・シーンの階層構造を保ったまま他のツールに取り込みたい場合に便利です。これら2つは主に「他の場所で使うためのデータ」としての書き出しです。

一方PDFとEPUBは、「読むためのファイル」としての書き出しです。両方とも見た目が整えられた状態で出力されるため、そのまま最後まで読み通す用途に向いています。PDFは印刷や画面表示でレイアウトが崩れない固定形式、EPUBは文字サイズや画面幅に応じてレイアウトが可変する電子書籍形式という違いがあり、読む環境によって向き不向きが分かれます。

PDF:縦書きの読み物として書き出す

PDFエクスポートは、専用の変換ソフトを使うのではなく、縦書きレイアウトを適用した印刷用の画面を、ブラウザの「印刷→PDFとして保存」機能でそのままPDF化するという方式を採っています。原稿用紙をイメージした明朝体・行間で構成され、章ごとに自動的に改ページされるため、紙の書籍に近い体裁でPDF化できます。

この方式の利点は、日本語のフォントを別途埋め込む必要がなく、ブラウザが標準で持っている日本語フォントの縦書きタイポグラフィをそのまま活用できる点です。追加のセットアップなしに、正しく美しい縦書きのPDFを作れます。

EPUB:電子書籍リーダーで読めるファイルを作る

EPUBは、Kindleアプリや各種電子書籍リーダーアプリで直接開いて読める、電子書籍の標準的なファイル形式です。モノ書きのEPUB出力は、外部サービスを使わずブラウザの中だけでEPUB3ファイルを生成する方式を採っており、作品のタイトルや章立てがそのまま書籍のメタデータ・目次として反映されます。

PDFが「ページの見た目を固定したレイアウト」であるのに対し、EPUBは読む端末の画面幅や文字サイズ設定に応じて自動的に折り返しが変わる「可変レイアウト」です。スマートフォンの縦画面でもタブレットの横画面でも読みやすいのはEPUBの方なので、持ち歩いて読み返したい場合はEPUBが向いています。

章立て・目次が自動的に反映される安心感

PDF・EPUBのどちらも、執筆エディタで管理している章の並び順やタイトルがそのまま出力に反映されます。EPUBでは目次(もくじ)ページが自動生成され、章タイトルをタップすればその章の先頭へジャンプできるようになります。書き出すたびに目次を手作業で作り直す必要がないので、構成を直すたびに気軽に出力し直して確認できます。

掲示板形式の作品も見た目を保ったまま書き出せる

「なんJ民が異世界転生したら」のような掲示板形式(レス形式)で書いた作品も、EPUB化する際に等幅フォント表示に切り替えるオプションが用意されており、レス番号やIDが並ぶ独特のレイアウトの雰囲気を保ったまま電子書籍化できます。横書き・縦書きの通常の作品とは違う見た目を維持したいジャンルにも配慮された作りになっています。

完結前でも「今の形」を書き出しておく価値

PDF・EPUBへの書き出しは、作品が完結してから行うものと思われがちですが、連載途中の「今の形」を定期的に書き出しておくのもおすすめです。連載中の作品を通しで読み返す際、投稿サイトの1話ずつのページを行き来するよりも、1つのファイルとして最初から最後まで読み通せる方が、物語全体のテンポやバランスを確認しやすくなります。

モノ書きでの使い方

モノ書きのエクスポート機能では、TXT・Markdown・PDF・EPUBのいずれの形式でも、作品全体を章・シーンの構成そのままに書き出せます。ルビ({{漢字|かんじ}})や傍点({{{強調}}})の記法も、それぞれの形式に応じた表示に自動変換されるので、書き出したファイルをそのまま読み物として楽しめます。